小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》

シリーズコンサート第10回記念公演(クラヴィーアコンチェルト)

《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》には毎回、モーツァルトと関わりのある作曲家等をひとりずつゲストとして迎えます。 モーツァルトとゲスト作曲家のクラヴィーアのソロ作品、またピリオド楽器奏者と共にお届けする室内楽、連弾、歌曲などなど、お話を交えながらのコンサートです。 18世紀にタイムスリップしたかのようなひととき、《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》にみなさまをご案内いたします!

《第10回》

2013年10月14日(月・祝)午後2時開演(開場1:30)

東京オペラシティ リサイタルホール 

 【平成25年度(第68回)文化庁芸術祭参加公演】 

《第10回》公演は終了しました! 

〔ゲスト作曲家〕A.サリエリ Antonio Salieri [1750-1825]

小倉 貴久子(クラヴィーア)

桐山 建志、天野 寿彦、花崎 淳生、廣海 史帆(ヴァイオリン)

深沢 美奈(ヴィオラ)・花崎 薫(チェロ)・小室 昌広(コントラバス)

三宮 正満・森 綾香(オーボエ)

塚田 聡・大森 啓史(ホルン)

☆ピリオド楽器使用室内オーケストラ☆

A.サリエリ:

クラヴィーアコンチェルト 変ロ長調(本邦初演)/クラヴィーアソナタ ハ長調(本邦初演)

 

モーツァルト:

メヌエット ヘ長調 K.4/サリエリの《ヴェネツィアの大市》の主題「我がいとしのアドーネ」による6つの変奏曲 ト長調 K.180/クラヴィーアコンチェルト 変ロ長調 K.238/クラヴィーアコンチェルト 変ホ長調《ジュノム》K.271

〔コンサートの聴きどころ〕第10回:A.サリエリ

1985年に公開された映画「アマデウス」のヒットで、モーツァルトの毒殺者として我が国でも有名になったサリエリ。そんな事実に悖る逸話を通して、この作曲家を色眼鏡で見ては、当時の音楽シーンを見誤ることになってしまうでしょう。ハプスブルク家の帝都ウィーンで、宮廷作曲家として、またイタリアオペラの楽長を長きにわたって務めたサリエリは、数多くのオペラを手掛け、モーツァルトのオペラを上回るほどの人気を博していました。名教師としても知られ、ベートーヴェン、フンメル、シューベルト、そしてモーツァルトの息子のフランツ・クサーヴァーも彼の門を叩いています。クラヴィーアコンチェルトは、なんといっても当時、モーツァルトの牙城でありましたが、サリエリにもオルガンやクラヴィーアのためのコンチェルトが残されています。モーツァルトが、サリエリのオペラから大いにヒットしたアリアに基づいて作曲した変奏曲、そして本邦初演となるサリエリのクラヴィーアコンチェルトとソナタ。魅力溢れる若きモーツァルトのコンチェルトと、華やかなプログラムをお楽しみいただきます。

主催:メヌエット・デア・フリューゲル

後援:日本モーツァルト協会・一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会/協力:KiKla

助成:朝日新聞文化財団(第10回)

〔第10回公演報告〕

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第10回記念公演《サリエリ》は、会場を東京オペラシティ地下のリサイタルホールに移しての開催。たくさんのお客様にご来場いただきました。サリエリのピアノ協奏曲の本邦初演やモーツァルトのピアノ協奏曲を、気心の合った音楽仲間と楽しく演奏しました。 

昨年3月に始動したシリーズが、みなさまのサポートのおかげで、無事に第10回を迎えられたことに心から感謝しております。来年春に、第11回(ゲスト作曲家・ベートーヴェン)が始まります。楽しい企画を続々考案中です!

〔当日のアンケートより〕

・ジュノムを聴きたくて来たのですがピアノ(現代の)とちがい他の楽器ととけ合っていて、とても気持ち良くきかせていただきました。又、楽しみにしています。

・Walterの美しい音を表情豊かに歌い上げるのはさすがである。ご指摘の通り、様々な登場人物が、それぞれのキャラクターで語るのはとても楽しい。気心の知れたアンサンブルは演奏者も楽しんでいるように感じられてよい。充実した演奏会だった。

・大変良かったです。サリエリの生演奏というとても貴重な経験が出来て感激です。フォルテピアノとオケの音量バランスも最高でした。

・小倉さんも皆さまもすばらしかった!モーツァルトのスゴサを体感できました。11回からもとても楽しみにしています。

・サリエリの変ロ長調、楽しいハーモニー、繰りかえされる主題の色合いの変化、煌めく高音、深い豊かなひびき、ぜひCD化してほしいです。聴きに来て本当によかったです。最後のモーツァルトのコンチェルトはモーツァルトの再来のような素晴らしさでした。

公演の模様

第10回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]