シュタインスクール

シュタイン様式によるフォルテピアノ(1799年製作)使用

フォルテピアノ:小倉貴久子

 

収録曲:

ヨハン・ゴットフリード・エッカルト(1735-1809)

ピアノソナタ Op.1

ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770-1827)

ピアノソナタ ヘ短調 WoO.47-2「選帝侯ソナタ」

イグナツ・フォン・ベーケ(1733-1803)

アリエッタと15の変奏曲 ハ長調

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)

ピアノソナタ ニ長調 K.283「デュルニッツ」

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)

ピアノソナタ ホ短調 Hob.XVI:34

使用フォルテピアノ:シュタイン様式によるフォルテピアノ(1799年製作)修復:クリス・マーネ

[録音]2024年7月 Piano's Maene Ruiselede, Belgium [発売]未定(当サイトのみで先行発売中)

[ブックレット]プログラムノート:小倉貴久子(英語・別冊で日本語版)、トーンマイスター・ディレクター:金井哲郎

INITIE ITE-004 3,080円(税込価格)

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CD:シュタインスクール

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ヨハン・アンドレアス・シュタインが独自に開発した跳ね上げ式、もしくはウィーン式と呼ばれるアクションをもつ楽器は、その後ロマン派の時代を通してドイツ系の音楽家に愛奏された。シュタイン一派のオリジナル楽器を使用した、その時代に相応しい作品を収めたディスクがニューリリース!

ヨーロッパで生まれた新しいレーベル、INITIEの第4弾アルバム!

〈批評〉

朝日新聞(2026年3月19日夕刊)for your Collection〔クラシック音楽〕より

【CD展望】

目から鱗のフォルテピアノ

 鍵盤楽器の名手、小倉貴久子が自身の境地を意欲的に深めている。今回、2種の新譜を同時リリース。フォルテピアノ2台を選び、それぞれにふさわしいプログラムを好演している。

 小倉はピアノの種類にこだわらず、フォルテピアノの始祖クリストフォリに始まり、ウィーンのシュタイン、ロンドンのブロードウッド、パリのプレイエルとエラール、そして現代のピアノと実に多種多様の鍵盤楽器を弾きこなし、ルネサンスから現代に至る作品まで、それぞれの楽器に合った楽曲を披露してきた。浜松市楽器博物館蔵の楽器を用いたシリーズを含め50枚以上のCDを発表してきたが、毎回新しい小倉に出会うようで飽きさせない。

 「シュタインスクール」(initié)=写真=では1799年、シュタイン流派で製作された楽器を弾く。明るく軽快な音色は古典派の作品にぴったり。シュタインと同郷の友人エッカルトと、12歳頃のベートーヴェンのソナタで始まる。後者は「選帝侯ソナタ第2番」として知られ、表情豊かな様式が印象的。モーツァルトと演奏対決をしたことで知られるベーケの変奏曲など、幅広く多彩なプログラムで実に面白い。

 「グンデルホーフの2つの『真珠』」(同)は1836年製スタインウェイの複製楽器を使う。シューベルトとその親友ヴォジーシェクの作品を、もしグンデルホーフの大邸宅で演奏したら……と想定するコンセプト。初期のスタインウェイはこんな楽器だったかと目から鱗の感がある。煌びやかな音色とタッチによる豊かな表現こそ、まさに初期ロマン派の輝きだ。(金澤正剛氏)