小倉貴久子所蔵楽器の紹介

ヨープ・クリンクハマー製作(18世紀半ば作者不詳、アルザス地方)

Harpsichord made by Joop Klinkhamer after anon.

 2段鍵盤で8フィートの弦が各2本と4フィートの弦が各1本備えられている。盛期バロック時代に製作されたこの楽器のオリジナル製作者は不詳であるが、オリジナルの楽器はドイツ、シュトゥットゥガルトのヴュルテンベルク州立博物館に所蔵されているものによっている。クリンクハマーは小倉貴久子のオランダ時代の友人。アムステルダム在住の製作家。外板にウォールナット(くるみの木)が贅沢に使われているのはヨーロッパの製作家ならではである。響版には製作者いわく小倉貴久子のイメージで花が散りばめられており、蓋にも装飾が施されている美しい楽器。現在の演奏事情にあわせ415Hz(バロックピッチ)、390Hz(フレンチピッチ)、440Hz(モダンピッチ)と3つのピッチに変化させることができる。