浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ9

ショパン ピアノ協奏曲第1番 室内楽版(プレイエル・ピアノ)

フォルテピアノ:小倉貴久子

ヴァイオリン:桐山建志、白井 圭 ヴィオラ:長岡聡季 チェロ:花崎 薫 コントラバス:小室昌広

 

収録曲:

フレデリク・ショパン (1810-49):

ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11

[ボーナストラック]練習曲 作品10-3 ホ長調「別れの曲」小倉貴久子による六重奏版

使用ピアノ:I.プレイエル 1830年

録音:2006年2月 アクトシティ浜松音楽工房ホール 発売:2006年11月

企画・制作:浜松市楽器博物館 協力:静岡文化芸術大学

録音・製作:コジマ録音

解説:平野 昭、小岩信治 English text included.

*古楽器、ライブ録音のため多少のノイズがあります。

LMCD-1828 3,190円(税込価格)

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CD:浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ9 ショパン ピアノ協奏曲第1番 室内楽版(プレイエル・ピアノ)

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[アルバムに寄せて 小倉貴久子]

 ショパンのピアノ曲、それらは多くの人々に愛聴されている魅惑的な音の詩集です。このアルバムにはショパンのつくった数少ない室内楽と、ピアノ協奏曲の室内楽版を収録しました。

 ピアニストにとっては重要な作曲家であるのに、他の楽器の奏者にとってはほとんど縁がないショパン。「ショパンはオーケストラのことをよく分かっていなかった・・・」という話まで伝わってきます。しかし、ショパンの愛したプレイエルと弦楽器の相性のなんとよいことでしょう。

 ショパンはアンサンブル音楽においても天才的なひらめきと独自の美学をもっていたことに気づかされます。今回の共演した弦楽器の名手たちも、「こんなショパンのメッセージがあったのか!」と熱く語っていました。

 私的な空間で楽しまれていた室内楽。サロンに同席しているような、そんな気分で味わっていただけたらと思います。

(前略)モダン、ピリオドにとらわれず、近年では歴史的な演奏形態を踏まえて、室内楽伴奏による録音も聴けるようになった。小倉貴久子が弦楽五重奏と共演したショパンのピアノ協奏曲第1番もその一例である【ジャケット写真】。ショパンコンクールのファイナルで、繰り返し演奏される作品だけに、あの感傷的な音楽が耳に残っている私たちには一瞬違和感を覚えるかもしれないが、当演奏は、プレイエル社製(1830年)のフォルテピアノを用いたピリオド・アプローチによる録音でもあり、当時のフォルテピアノの性能を考えるとむしろ、バランスがとれた音響像となっていることがわかるだろう。(後略)(レコード芸術2022年6月号 特集音盤プレイリスト15〜No.8〈「浸透」するピリオド・アプローチ〉大津 聡氏)

 

レコード芸術 2022年11月号〜下田幸二のピアノ名曲解体新書 連載143「ショパン ピアノ三重奏曲」ディスク・セレクション〈邦典〉

 小倉貴久子による浜松市楽器博物館所蔵1830年製プレイエルを用いての演奏である。ショパンがこの作品を作曲した当時の最高の楽器の一つを使った時代の音の再現ということになる。第1楽章の小倉は闊達なタッチと軽やかなタッチを絶妙に使い分け、桐山建志、花崎薫の弦楽はよく歌い、3人で楽章の魅力を導き出す。拍節明快な第2楽章では主部スケルツォと中間部トリオの対比が心地よい。プレイエルの典雅な味わいが美しいのは第3楽章である。竪琴のような音のピアノに弦楽が溶け合う。そして小倉貴久子の第4楽章クラコヴィアク・リズムの心地よい揺れは、この作品がまごうことなくショパンのものであることの証左。古楽器演奏に造詣の深い3人による熱演。