浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ35

ショパン ピアノ協奏曲第2番 室内楽版 〜プレイエル・ピアノと弦楽五重奏による〜

フォルテピアノ:小倉貴久子

ヴァイオリン:桐山建志、藤村政芳 ヴィオラ:長岡聡季 チェロ:花崎 薫 コントラバス:小室昌広

 

収録曲:

フレデリク・ショパン (1810-49):

華麗なるワルツ 変イ長調 作品34-1、マズルカ イ短調 作品17-4、バラード 第3番 変イ長調 作品47、バラード第4番 ヘ短調 作品52、レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ(ノクターン)嬰ハ短調 遺作、舟歌 嬰ヘ長調 作品60

ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21(ドイツ初版に基づく室内楽版)

使用フォルテピアノ:I.プレイエル 1830年

録音:2010年10月、11月 アクトシティ浜松音楽工房ホール 発売:2011年9月

企画・制作:浜松市楽器博物館 協力:静岡文化芸術大学

録音・製作・販売元:コジマ録音

解説:平野 昭、小岩信治 English text included.

LMCD-1942 3,190円(税込価格)

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CD:浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ35 ショパン ピアノ協奏曲第2番 室内楽版 〜プレイエル・ピアノと弦楽五重奏による〜

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 浜松市楽器博物館所蔵のプレイエル・ピアノとの出会いは、2004年のコレクションシリーズ4『フォルテピアノ』での、6台のフォルテピアノを使ったアルバム制作のときでした。プレイルの得も言われぬ響きに心を奪われ、忽ち虜になってしまいました。ショパンが愛したことで知られるプレイエル。楽譜に残されているショパンからのメッセージを再現する喜び。これぞ至福の時です。

 プログラムを組むにあたって、プレイエルのさまざまな美しい音色や雰囲気を表現するのに最も相性がよく、そしてショパンの個性が万華鏡のように映し出される作品を...という想いで曲を選びました。2006年につづいての第2弾『ピアノ協奏曲第2番 室内楽版』では、気心の知れた弦楽器奏者の仲間たちと、ショパンが楽譜に書き込んだ指示を読み解き、ショパン独自のアクセントの位置などから、ショパンの魂(ポーランドの民族音楽)に共鳴し、興奮してレコーデングを行うことができました。

 ショパン自身「僕には強気と弱気が一緒になっているのです。」と、度々友人に話しています。そんな繊細でもあり大胆な彼の音楽のきらめきや移ろいは、プレイエルで演奏しているとショパンの吐息となって現れてくるかのような錯覚にとらわれます。プレイエルは、そんな魔法の力をもったピアノなのです。

小倉貴久子

オーケストラの数も演奏の機会もきわめて少なかった19世紀前半、室内楽としても演奏出来るよう、総譜なしのパート譜だけで売られることがよくあった。1836年、ショパンのピアノ協奏曲第2番のパート譜が、初めてドイツで出版されたのが好例だ。それを用い、弦楽五重奏による室内楽板を、小倉貴久子が独奏して録音した。使用楽器はショパンが愛したプレイエル製で、しかも彼がパリに着く前年の1830年作のもの。ともすると聴き惚れてしまう華麗な今日の演奏と違い、作曲家の意図が鮮明に感じ取れるようなゆとりがある。独奏も、現代の超人的技巧主義とは無縁で、繊細優美な叙情的流れのなかに親しみやすさを感じさせ、この作品の本質に初めて触れたような気にさえさせる。(朝日新聞2011年9月5日夕刊 "for your Collection"金澤正剛氏の紹介文より)

 

・・・特に、当盤の核をなしている室内楽版の協奏曲第2番は、バックが弦楽五重奏となったことで線が細くなるかと思いきや、むしろ無駄が削ぎ落とされて、音楽がダイレクトに伝わって来る印象。オリジナル楽器の美点が前面に出た好演だ。(ぶらあぼ2011年10月号「新譜びっくあっぷ」コーナー、寺西肇氏の評より)