re-Discovery

ナチュラルホルンアンサンブル東京

縦横無尽の倍音操作!日本初の本格的ナチュラルホルンアンサンブルのデビューCD!

ナチュラルホルンアンサンブル東京

藤田麻理絵 大森啓史

大野雄太  下田太郎

伴野涼介  塚田 聡

 

収録曲:

A.ベッローリ:小四重奏曲

A.ベッローリ:ホルン四重奏曲 第2番

A.ライヒャ(A.レイシャ):24の三重奏曲 op.82より 第1集(第1〜6曲)

A.リヒータ:3本のホルンのための6つの小品

A.リヒター:4本のホルンのための6つの小品

B.クロル:バースラー・ロマンツェ Op.114

G.ロッシーニ:「狩の集い」4本のホルンのためのファンファーレ

録音:2020年1月 富士見市民文化会館キラリふじみ 発売:2020年11月

製造・発売元:コジマ録音

解説:伴野涼介

ALCD-3118 3,080円(税込価格)

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CD:re-Discovery ナチュラルホルンアンサンブル東京

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¥3,080

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このディスクは〈レコード芸術〉特選盤、〈読売新聞〉で推薦盤、〈音楽現代〉で注目盤として紹介されました。

モダンホルンの第一線で活躍するプロ演奏家達が2016年に結成した日本初の本格的ナチュラルホルンアンサンブル。今日ではあまり知られていないリヒターとベッローリの作品、ホルンアンサンブルの定番ライヒャの三重奏曲、現代作品クロル「バースラー・ロマンツェ」、そして自然倍音のみで演奏するロッシーニ「狩の集い」。モダンホルンとは異なる表現力に、ナチュラルホルンという楽器の可能性を再発見する1枚。

【推薦盤】「re-Discovery」 6人の名手からなる「ナチュラルホルンアンサンブル東京」のデビュー盤。ベッローリ、リヒターといった現在は無名の作曲家も含まれているが、バルブ付きの楽器が普及する前、19世紀前半のナチュラルホルンが到達したテクニックの多彩さを実際の音、高度なアンサンブルによって確認できる。(ALM)(2020年11月19日 読売新聞 サウンズBOXクラシック)

 

【推薦】オーケストラで活躍する6名のプロ・ホルン奏者が集まり、2016年に結成された日本で初めての本格的ナチュラル・ホルンのアンサンブルの、これが初CD。1800年前後のクラシカル・モデルの楽器のレプリカが使用されている。楽器のこと、そして今日ではあまり知られていない作曲家とその作品のことにまず関心が向かざるを得ないのだが、それらについてはブックレットで非常に丁寧にわかりやすく説明されている。しかし、そのような「学び」を差し置いて、まず単純に、実に楽しい! 音楽が生き生きとした感興に溢れ、表情も音色も実に多彩。奏者たちが楽しんで吹いているのが伝わってくる。ほぼ同じ時代に作られた作品が並んでいるにもかかわらず、作曲家やそれぞれの作品の個性が描き分けられている点も見逃せない。自然倍音に時おりハンド・ストップの音が混じるのも一興。比較的馴染みのあるライヒャの三重奏曲やリヒターの《6つの小品》も実に新鮮に聴こえる。これらの作品で、思いがけなく引き締まった低音域の響きを味わえるのも大きな収穫。もうひとつの聴きものはベルンハルト・クロルが、おそらく20世紀末に作曲した4本のナチュラル・ホルンのための《バースラー・ロマンツェ》。それぞれのパートに異なる調が設定されることによる音色の対比と調性からの逸脱が面白い。この楽器とアンサンブルの可能性に目を向けさせてくれる作品だ。楽しいだけでなく発見も多い1枚である。(レコード芸術 2020年12月号 後藤 洋氏の評)

 

【推薦】これは注目すべきアルバムだ。オーケストラに所属するプロのホルン奏者6人が16年に結成した「ナチュラルホルンアンサンブル東京」、略称「ナチュホ東京」のデビューCD。彼らはふだんモダンのホルン奏者であるが、ピリオドのオーケストラにも参加し、互いが共演しているうちに「ナチュラル・ホルンでアンサンブルをしたい。日本でナチュラル・ホルンの楽しさを伝えたい!」との気持ちが合致したという。レパートリーはナチュラル・ホルンの全盛期と言える18世紀から19世紀のものが中心だが、クロル作品のように、この楽器のためのオリジナル作品も取り上げる。ホルン・アンサンブルの定番曲であるライヒャのトリオもあらためてナチュラル・ホルンで聴くと、そのヴァルトゥオジティと色彩の変化が耳をそらさない。楽器を知り尽くした作曲家が記した緩徐楽章の歌の絶妙な美しさと急速楽章の緊迫した展開の対比が凄いが、全体に流れるどこかとぼけた雰囲気も微笑みを誘う。こうして聴くと、現代楽器が獲得したなめらかさの反面で失われた不揃いの魅力にあらためて気づく。これはホルンに限ったことではないけれど、特に不均等さが際立つナチュラル・ホルンで聴くと、作曲家がいかにそれを効果的に使っていたかがわかってくる。音楽に本当に必要なものは何か、楽器が変わりそれに伴って変化する表現と作品そのものの本来の姿をどうやって両立させるかなど、愉しさとともに考えさせられることも多い1枚である。(レコード芸術 2020年12月号 西村 祐氏の評)

 

[録音評]ホルンのような音の広がりが大きい楽器はその収録会場の選択が重要であるが、ここで使われている会場は席数800ほどのホールで、極めて適正な残響を持っているようでのびのびと広がりつつ、過剰にはなっていない響きがとても気持ちよい。また他の楽器との共演時に問題になる特殊な響き方も同じ楽器のアンサンブルゆえ問題なく、音響に集中できる。〈92〉(レコード芸術 2020年12月号 峰尾昌男氏の評)

 

在京著名楽団を中心とするモダン・オーケストラの奏者たちが2016年に結成した、日本初の本格的ナチュラルホルンアンサンブルのデビュー・アルバム。古典派時代のイタリアの作曲家ベッローリ(四重奏曲第2番はなかなかの充実作)とドイツ・ロマン派のアントン・リヒターの珍しい作品から、ライヒャとロッシーニの定番作品、ドイツのクロルの現代作品まで、三、四、六重奏の多様な音楽が耳を喜ばせる。古雅で柔なかな独特のサウンドはことのほか愉しく、アンサンブルも精妙かつ豊潤。一般ファンにも同楽器の魅力や可能性を満喫&再発見させてくれる。(ぶらあぼ 2020年12月号 柴田克彦氏の評)

 

ピリオドの醍醐味。

メモ●結成翌年の2017年から演奏会を重ねてきたアンサンブルのデビュー盤(収録は2020年1月)。メンバー各人がオーケストラ・プレイヤーとしてつちかってきた技術的基盤の上にナチュラル管を操る作業は素晴らしくこなれた次元に達しており、このまま1つのセクションとして欧州の辣腕ピリオド団体へ売り込めば....などと冗談抜きに書き付けたくなるほど。

 ミラノのスカラ座と音楽院で要職をつとめたアゴスティーノ・ベッローリ(1778〜1839)の第2四重奏曲を貫く音楽的充実感は耳に深く残るものだし、各パートに配された難易度の高い楽句の吹きこなし加減も然り。ライヒャのトリオから抜粋された6曲が、ナチュラル管の特性に由来する響の変化や陰翳を得て、各ナンバーの性格的小品としての差異まで鮮やかに浮かび上がらせるのは、これぞピリオドアプローチの醍醐味。かの大指揮者ハンスの親御さんにあたるリヒターの手による素朴な曲集に、ドイツの森にこだまするヴァルホルンという月並みなイメージ以上の立体感や実質味が備わるのも、そんな合奏の賜物か。

 自らがホルン奏者でもあったクロルの作品は、4つのパートにそれぞれ異なる管を指定するという、いわばアイデアの勝利的な産物。同じ動機素材が少しずつ位相のズレた音響現象を醸し出す過程が幻惑的にして心そそる。1枚をしめくくるロッシーニは6人総出演のアレンジを施し、舞台裏での演奏まで交え、ハンドストップを使わずに吹き通す。狩および野外というキーワードを、これまた鮮やかに音で具現化した演奏だ。そしてブックレットの解説(メンバーの伴野氏執筆)が秀逸なまで内容豊かで示唆に富み、これを読むだけでも手にして損はないと思う。(パイパーズ2021年1月号 今月のCD 木幡一誠氏の評) 

 

注目  ナチュラルホルンの魅力を一般に伝えたいと、名門オケの奏者たち6人が結成したグループが、ライヒャやロッシーニからクロルまで、古典派から現代まで広い時代の作品を集めて世に問うた1枚。技術的にはモダンホルンと異なる難しさをもつナチュラルホルンだが、狩りの合図を想起させる素朴な響きから内面的な音色の旋律美、そしてトゥッティでの迫力まで様々な可能性が自在に披瀝されている。これも20世紀後半から国内でも精力的に行われてきた歴史的真正性を求めての動き、ピリオド楽器の活用などの大きな流れの中での貴重な仕事と位置づけられるが、大いにその豊かなサウンドが楽しまれてほしい(音楽現代 2021年2月号 茂木一衞氏の評)