浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ18

ナチュラルホルン 〜自然倍音の旋律美と素朴な力強さ〜

ナチュラルホルン:塚田 聡、フォルテピアノ:小倉貴久子

 

収録曲:

L.v.ベートーヴェン:ホルンソナタ ヘ長調 作品17

F.リース:ホルンソナタ ヘ長調 作品34

W.A.モーツァルト:ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447

狩猟ホルンによる信号

使用ホルン:A.クルトワ、デュボア 他

使用ピアノ:ワルター&サン 1808〜10年 ウィーン

録音:2008年7月1日〜3日 アクトシティ浜松音楽工房ホール 発売:2009年4月

企画・制作:浜松市楽器博物館

録音・製作:コジマ録音

解説:塚田 聡

LMCD-1876 3,190円(税込価格)

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CD:浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ18 ナチュラルホルン 〜自然倍音の旋律美と素朴な力強さ〜

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このディスクは、朝日新聞「for your Collection」と、バンドジャーナル誌のディスク・ガイドのコーナーで紹介されました。またレコード芸術2020年12月号の特集「新時代の名曲名盤500 vol.3 ベートーヴェン」で第4位(ベートーヴェン:ホルンソナタ)。

ベートーヴェンやモーツァルトの時代に狩りや音楽の演奏で使われていたのは、現代のようなヴァルヴのついた複雑なホルンではなく、管を巻いただけの単純なホルン、すなわちナチュラルホルンだった。その不均質な音色と、管の長さによる調性の個性こそが、ホルン本来の魅力である。このアルバムには、19世紀のナチュラルホルン8台を使い、大作曲家の名曲と、当時の狩りの信号がホルン本来の響きで収められている。伴奏にも1810年ウィーン製のフォルテピアノが使われている。

「ホルンに限らず現代の楽器は、全ての音を均質化するという方向性で進化してきました。音の違いによる個性、調性による強烈なキャラクターの主張は、平均化への道の傍らに捨て去られてしまいました。ナチュラルホルンが廃れてゆく19世紀末に生きて、その保存に心血を注いだブラームスは、ナチュラルホルンによる演奏を、基本的かつ重要なことと説いています。ただ管を巻いただけのナチュラルホルンから生み出される自然なハーモニー。心に馴染む素直な旋律。柔らかさから力強さまでが表現できるナチュラルホルンは、オーケストラの中でも核となる存在になりました。」(ライナーノーツより)

(前略)シリーズ18の「ナチュラルホルン」(LMCD1876)では、モーツァルトやベートーヴェンのソナタを自然倍音で演奏する。現代のホルンのように滑らかに旋律を歌うというわけにはいかず、音色も音の高さにより微妙に違うが、それがかえって魅力的。演奏する塚田聡の腕の見せどころとなっている。狩猟ホルンによる「ウサギを射た」や「食事だぞ」などといった信号の演奏も実に面白い。(朝日新聞 for your collection 金澤正剛氏)