○2月1日 静岡音楽館AOI
親子のためのコンサート3 小倉貴久子フォルテピアノ・リサイタル
J.ハイドン:ピアノソナタ第37番 ニ長調、W.A.モーツァルト:ピアノソナタ イ長調「トルコ行進曲付き」、L.vベートーヴェン:ピアノソナタ ハ短調 作品13「悲愴」、嬰ハ短調 作品27-2「月光」
☆2月11日 東京文化会館 小ホール
桐山建志 小倉貴久子 「ドイツロマン派の系譜」
C.シューマン:3つのロマンス 作品22
F.シューベルト:ファンタジー ハ長調 D934
F.メンデルスゾーン・バルトルディ:ヴァイオリンソナタ ヘ短調 作品4
R.シューマン:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ短調 作品105
ドイツロマン派の巨星、ロベルト・シューマンとフェリックス・メンデルスゾーン。盟友でもあったこのふたりは敬愛する作曲家、シューベルトのシンフォニー「グレート」の蘇演を共同で成功させました。
この演奏会では、モーツァルト、シューベルトからの流れを汲み、古典主義的理想を信じつつドイツロマン派の道を築いた彼らの薫り高い逸品を集めました。
シュトライヒャーの暖かな音色と、ガット弦の音質が溶け合った絶妙なデュオとなりました。
音楽の友 2003年4月号 コンサート・レヴュー
桐山建志vn&小倉貴久子p
シューマンの「3つのロマンス」作品22、シューベルトの「ファンタジー・ハ長調」D.934、メンデルスゾーンのソナタ作品4、それにシューマンのソナタ第1番作品105が演奏された。バロック・ヴァイオリンおよびフォルテピアノの専門家である2人であるが、使用楽器の問題ではなく、この日の2人の演奏は新鮮。「クロイツェル・ソナタ」やパガニーニに刺激を受けて作曲されたとされているシューベルトの作品も、この2人の演奏では、まず音楽的な美しさが聴こえてくる。そしてその中で技巧は消化された状態で表われてくる。作品の形もよく奏出されていて、爽やかな聴き味をおぼえた。メンデルスゾーンも小倉の表現が立体的であり、しかも気品があり好感が持てた。最後のシューマンも2人の奏者ならではの表現で仕立てており味わいがあった。(2月11日・東京文化会館〈小〉)〈長谷川武久氏〉
○3月14日 ティアラこうとう 小ホール
VIVA! クラシックス 小倉貴久子フォルテピアノリサイタル ~ウィーンからの春風~
J.ハイドン:エステルハージソナタ 第3番 ヘ長調、W.A.モーツァルト:ピアノソナタ イ長調 K.311「トルコ行進曲付き」、F.シューベルト:10の変奏曲 ヘ長調 D156、J.N.フンメル:ロンド 変ホ長調 作品11、L.v.ベートーヴェン:ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」
○3月20日 国分寺市立 いずみホール
アンサンブル・カライドスコープ&小倉貴久子 「クラシックのおもちゃ箱」
W.A.モーツァルト:管楽器とピアノのための五重奏 変ホ長調 K.452、L.v.ベートーヴェン:ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」、W.A.モーツァルト:18世紀の編曲によるオペラ「フィガロの結婚」管楽合奏版より「序曲」「恋とはどんなものかしら」「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」他
□4月 東京藝術大学音楽学部 古楽科 講師に就任
○4月18日 しまなみ交流館(広島県尾道市)
小倉貴久子 フォルテピアノリサイタル
W.A.モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485 ピアノソナタ イ長調 K.331(300i)《トルコ行進曲付き》、J.P.デュポールのメヌエットによる変奏曲 ニ長調 K.573、F.ショパン:ノクターン 変ホ長調 作品9-2、ワルツ 変ニ長調 作品64-1《子犬》、華麗なる大円舞曲 変ホ長調 作品18、マズルカ ロ短調 作品33-4、バラード 第3番 変イ長調 作品47
○4月24日 ソウル・アーツセンター(韓国)
ソユン・リー フルートリサイタル
共演者:Soyoung Lee(フルート)、Wonsoon Chung(ヴァイオリン)、Sang-eun Lee(第2フルート)、Jihyun An(チェロ)
J.S.バッハ:フルートソナタ イ長調 BWV1032、音楽の捧げもの BWV1079、C.Ph.E.バッハ:ハンブルクソナタ ト長調、ソナタ ハ長調 Wq149、W.F.バッハ:トリオ ニ長調 F47、J.Cバッハ:ソナタ 第2番 ト長調 作品16
○6月7日 ザ・フェニックスホール(大阪市北区)
レクチャーコンサートシリーズ5 ピアノはいつピアノになったか 第2回 ハイドンの奇想
講師:伊東信宏
J.ハイドン:クラヴィーアソナタ 第37番 変ホ長調、第41番 イ長調、第59番 変ホ長調 他
☆6月26日 近江楽堂(初台)
ハイドン・クラヴィーアコンサート
お話:伊東信宏
J.ハイドン:クラヴィーアソナタ 第31番 変イ長調、第41番 イ長調、第59番 変ホ長調、第50番 ニ長調、C.Ph.E.バッハ:識者と愛好家のための曲集第2巻より「ファンタジア ハ長調」
●2003年9月号~2004年2月号
ムジカノーヴァ(音楽の友社) 解説付楽譜(ウィーン原典版)執筆
○9月13日 ログガーデン ヴェルデ(栃木県小山市)
小倉貴久子フォルテピアノリサイタル ~18世紀、ウィーンの人々が愛した人気作曲家たち~
J.ハイドン:クラヴィーアソナタ ト長調 Hob.16:39、M.クレメンティ:クラヴィーアソナタ ト短調 作品8-1、W.A.モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲、ロンド イ短調 K.511、L.vベートーヴェン:クラヴィーアソナタ ニ長調 作品10-3
☆10月1日、11月12日 自由学園/明日館
シリーズコンサート「モーツァルトの生きた時代」第3回マンハイム・パリ旅行のモーツァルト、第4回ウィーンのモーツァルト
旅する天才少年からウィーンでの自由な音楽家へと至る軌跡を、モーツァルトと関わりのあった同時代の作曲家の作品と共に辿る演奏会。モーツァルト時代の楽器(復元楽器)を用いて、4回シリーズでお届けししました。
前半2回は2002年秋、後編2回が03年秋に催されました。
後編、第3回、第4回に向け書かれた「聴きどころ」(安田和信)
モーツァルトとその同時代者の作品を聴き比べる本コンサート・シリーズの第3、4回は、いよいよ佳境へと入っていきます。第3回ではモーツァルトの青春の旅路とも言える「マンハイム・パリ旅行」に、第4回ではウィーンに定住した時期に焦点を当てます。
第3回の「マンハイム・パリ旅行のモーツァルト」では、1777年秋から79年初頭までに行われた大旅行の時期を扱います。マンハイム・パリ旅行は求職旅行としては首尾良く行ったわけではありませんが、当代随一と評されたマンハイムの宮廷楽団や大都会パリの活発な音楽活動に触れ、モーツァルトの音楽的成長には少なからぬ意義がありました。この回で取り上げられる他の作曲家たち――イタリア旅行時からの知り合いで、ミュンヘンで再会を果たしたヨーゼフ・ミスリヴェチェク、マンハイム・パリ旅行時にその音楽と出会ったジャン・フレデリク・エーデルマンやニコラ=ジョゼフ・ヒュルマンデル―― は、いずれもモーツァルトから高く評価されていました。この3人は、確かに優れた個性をもつ作曲家なのですが、残念ながら、現在ではあまり知られてはおりません。‘批評家モーツァルト’から太鼓判を押されていた作曲家たちの腕前を、是非とも堪能してください。
第4回の「ウィーンのモーツァルト」では、もちろん、生涯の最後の10年間が扱われます。この時期、モーツァルトはウィーンにおける最も優れたクラヴィーア奏者の一人として活躍していました。しかし、彼自身が‘ピアノの国’と呼んだ当地には、多くのライヴァルがひしめいていたのです。当時、長老格のクラヴィーア奏者だったヨゼフ・アントニーン・シュチェパーンや、まさにライヴァルとしてしのぎを削ったレオポルト・コジェルフなど、ボヘミア出身の作曲家たちに優れた人材がいました。また、ロンドンを本拠にしていたイタリア人、ムツィオ・クレメンティはウィーンを来訪した際、皇帝ヨーゼフ2世の御前でモーツァルトとクラヴィーア演奏の競演をしています。とりわけ、同世代のコジェルフとクレメンティに対して、モーツァルトはかなり辛辣な言葉を残していますが、それは自分の存在を脅かす商売敵として彼らを認識していたからではないでしょうか。したがって、第4回のテーマは、「モーツァルトとライヴァルたち」とも呼べそうです。小倉貴久子の演奏で再現する彼らの競演。音楽に勝敗は似合いませんが、楽しくレフェリーを務めてくだければ幸甚です。
第3回 2003年10月1日(水)
【マンハイム・パリ旅行のモーツァルト(1777年~79年)】
J.ミスリヴェチェク (1737~1781):
6つのソナタより 第6番 ニ長調
J.F.エーデルマン (1749~1794):
6つのソナタ 作品2より 第1番 ハ短調
N.J.ヒュルマンデル (1756~1823):
6つのソナタ 作品1より 第2番 変ホ長調
6つのディヴェルティスマン 作品7より 第6番 ヘ長調
W.A.モーツァルト (1756~1791):
ソナタ イ短調 K.310 (300d)
ボマルシェの「私はランドール」による12の変奏曲 変ホ長調 K.354 (299a)
第4回 2003年11月12日(水)
【ウィーンのモーツァルト(1781年以降)】
L.A.コジェルフ (1747~1818):
3つのソナタ 作品15より 第1番 ト短調
M.クレメンティ (1752~1832):
3つのソナタ 作品9より 第2番 ハ長調
トッカータ 変ロ長調
J.A.シュチェパーン (1726~1797):
5つのカプリッチョより 第3番 ト長調
W.A.モーツァルト (1756~1791):
ソナタ 変ロ長調 K.570
グレトリーの「サムニウム人たちの結婚」からの主題による8つの変奏曲 K.352 (374c)
○10月12日 世田谷美術館
知られざるピアノの響き~大作曲家たちの愛したピアノ~
バルトロメオ・クリストーフォリ〈1726年フィレンツェ復元楽器〉G.F.ヘンデル、L.M.ジュスティーニ
ヨハン・アンドレアス・シュタイン〈18世紀末タイプ改造復元楽器〉W.A.モーツァルト、M.クレメンティ、L.v.ベートーヴェン
イグナーツ・プレイエル〈1846年パリ〉F.ショパン、F.ブルグミューラー
スタインウェイ C.ドビュッシー
○10月24日 ソウル・アーツ・センター(韓国)
ブランデンブルク協奏曲 mit コリアン・チェンバー・アンサンブル
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調
○12月10日~12日 明石、豊海、佃島小学校(中央区)
小学4年生へのアウトリーチ
共演者:伊万里一八(フラウトトラヴェルソ、ナチュラルホルン)
W.A.モーツァルト:きらきら星変奏曲、トルコ行進曲、フルートソナタK.12、ホルン協奏曲第3番第3楽章 他
*ムジカノーヴァ04年3月号に ~小倉貴久子の小学4年生へのアウトリーチ活動~ としてレポートが掲載。